2011年08月26日

003:細(題詠blog2011 鑑賞)

 題詠blog2011に投稿されたお歌の中から、好きな歌を少しずつ書き留めておきます。

 「003:細(TB1〜266)」の中から、いくつか。
 ※お名前は敬称略となります。どうか御容赦ください。




西巻真(ダストテイル−短歌と散文のブログ−)
細雨降り止まぬゆふがたあなたからわたしにとどく一本の針


富田林薫(カツオくんは永遠の小学生。)
昭和史をほどいてみれば群青のひかりのような飴細工あり


藍澄さねよし(ヨシナシノート。)
細菌のごとくひしめく人々も吾もレンズの底に居るなり


星川郁乃(Air Station)
ゆるぎない強くて細い線を引きたい定規など捨てたとしても


飯田彩乃(陸を離れる)
こんなにも細くて頼りないからだで降ること決意したのね 雨は


嵐家 昇(短歌という糸)
やせ細った父の体温抱きしめて凧は飛んでく鈍色のそら


勺 禰子 しゃく・ねこ(ディープ大阪・ディープ奈良・ディープ和歌山)
細くない縁(えにし)と思ふ山麓のゆふやけが闇に変はりゆくとき


【補足的、ぽつり。】



 富田林薫さまのお歌。
 また選んでしまいました。
 群青色。時折存在さえ忘れてしまう色ですが、日の落ちきる今際の空を見上げて、はっとなります。
 常にそこにあるのに、思い出すために忘却している、思い出すための昭和史。
 そんな、感覚。

 藍澄さねよしさまのお歌。
 超越的な視線と、感覚を感じます。地球の奥に在る目か、或いは銀河の渦の中心か。
 レンズの底、という表現が何故か、海の底を彷彿とさせるのが不思議。
 私だけでしょうか…。

 星川郁乃さまのお歌。
 喩え定規が壊れても無くなっても。
 そんな生き方をしたいのです。

 嵐家 昇さまのお歌。
 「父の体温」を抱き締めるのは凧、と解釈してみました。
 浮かぶのは、凧糸の力強さと冬の風。
 厳しい季節に翻る凧が「父」の命を導いているような感覚。
 ……誤読の自由ということで、一つお目こぼし頂けましたら幸いです。


posted by 水風抱月 at 01:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 短歌鑑賞(題詠blog '11) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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