2011年07月10日

002:幸(題詠blog2011 鑑賞)

 題詠blog2011に投稿されたお歌の中から、好きな歌を少しずつ書き留めておきます。

 「002:幸(TB1〜259)」の中から、いくつか。
 ※お名前は敬称略となります。どうか御容赦ください。




富田林薫(カツオくんは永遠の小学生。)
とおく種であったころの幸せを砂丘のすみから植えてゆきます


なゆら(リッスン・トゥ・ハー)
幸せというたらおっちゃんあつあつの蛸焼きほふほふいわしとるとき


那緒(うさぎぱん)
幸せと不幸せとの間には国境があり旅券を求む


猫丘ひこ乃(ふりつむ☆ぷりずむ別館)
数珠念珠下げた牛歩の老女おり祈りつつゆく幸多かれと


内田かおり(深い海から)
道のべに踏まれずにある蕾みあらば畳み込まれておりしか幸は


雑食(題未定)
左手の薬指から幸せの跡消えるころあなたに逢いに


清次郎(Conical flask)
「おてがるなやつはだめね」と幸せをワインのように笑う 泣きなよ


三沢左右(Lazy Room)
僕だけの明日をあなたの幸せに染め変えてゆく白い好日


牧童(牧童の夏至)
地に落ちた椿の上の車いす幸を見たのか老婆微笑む


【補足的、ぽつり。】

 拝見して口元の綻ぶ歌が数多くございました。
 「幸」という言葉の、元々持つイメージも大きかったのでしょうね。


 なゆらさまのお歌。
 風景が目に浮かびます。しあわせ、ほころぶ、おっちゃん笑う。好き。

 清次郎さまのお歌。
 良いですねえ。「泣きなよ」 …言ってみたい。

 猫丘さま、牧童さまのお歌。
 ボードレールの「小さく萎れた老婆達」という詩の一節を思い出しました。
 『(略)よろめく君達の足元にじっと不安の目を据えて〜(略)〜やさしい気持ちで見守るが、こいつが素敵だ!/君達に気はつかないが、僕はひそかな快感を満喫してる。〜(後略)』(堀口大學訳)
 …そんな情景を思い出しました。
 歳老いて尚幸せでありたいものです。


posted by 水風抱月 at 23:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 短歌鑑賞(題詠blog '11) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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