2012年06月19日

習作:鯉精(1)


 雨のそぼ降る、水無月の夕暮れであった。

 大川へ掛かる橋には人気もなく、

 急ぎ足で西へと渡っていた男は、眼前へ立ち止まる何者かの気配を認めてふ、と足を留めた。
 差し掛けた傘の内から、色濃く濡れた小袖の裾が見えている。

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posted by 水風抱月 at 03:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未熟なる破片 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月18日

習作:花の乙女と騎士の弓

真黒の森の奥深く
打ち棄てられた銀の弓
王なる塔を護るが如く
月のきらめき携えて

放てばひかりは塔の内
黒の茨を照らし出す
楔の如き戒めは
王の命の盾として

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posted by 水風抱月 at 21:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未熟なる破片 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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